ことばが伸びるじょうずな子育て part2

2014年8月8日

子どものことばの発達に不安を抱えるママ達に、優しくアドバイスをしてくださった中川信子先生。
上から目線で話すことなく、「私もついこんなこと言っちゃって・・・」とご自身の育児体験も交えての講演会は温かい空気に溢れていました。
そんな先生に、もっといろいろなことをお聞きしたい!
ぴーれメンバーも自分の子どものことばについて、日々悩んでいます。
お忙しい先生を無理に引き留めて、講演会後に時間を取っていただき、質問に答えていただきました。

 

Q1.言語聴覚士とはどういうお仕事ですか?

  →ことばがはっきりしない、どもるなど、子どもを対象としたことばの発達に関わることに相談に乗ります。ことばの育ちをお母さんと共に見ていく役割を担っています。

Q2.この仕事をやろうと思ったきっかけはありますか?
  →大学生の時に障がい児教育を学んでいて、関心を持っていました。その時家庭教師をしていて、受け持ったお子さんが失語症だったことが大きなきっかけです。「これだ!」と思いました。

Q3.子育て中のパパやママ、これから出産するママに伝えたいことはありますか。
  →今は子育てに関する情報がとても多く、振り回されがちです。でも、子育ての根本は100年前も1000年前も変わっていません。新しい知識に振り回されず、毎日をお子さんとゆっくり過ごしてほしいです。

Q4.こういった講座は定期的に開催されているのですか?
  →子ども家庭支援センターでは年4回開催していますが、フリーの講演会は1回です。詳しくは支援センターにお尋ねください。市内の幼稚園でも定期的にお話しさせていただいています。

Q5.子どもを叱る時に「なんでこんなことしたの?」と言ってはいけないと言いますが、なぜですか?
  →子どもに「なんでこんなことしたの?」「何回言ったらわかるの?」とつい言ってしまいますよね。こちらは嫌味で言っているつもりでも、まだ小さい子には通じません。
   子どもは興味のままに行動しているだけなので、なぜダメなのか説明してあげましょう。

Q6.5歳の男の子ですが、話を聞いて理解することができません。文字にすると理解して、覚えることもできるのですが、ことばだけではすぐに理解することができないようです。能力として問題がありますか?
  →お子さんは「視覚」による認知力が高いのですね。私も、人の名前を覚える時はフルネームの漢字を見て覚えますよ。何によって認知するのが得意かは、人によって違います。「視覚」に拠る子、「聴覚」に拠る子様々です。聴覚を伸ばしたいと思うなら、少しゆっくりめに話してみることをお勧めします。

Q7.車をブーブと言ったりする赤ちゃんことばで話しかけるのは良いのですか?私はあえて正式な名前で伝えるようにしていたのですが・・・。
  →赤ちゃんことばは聞き取りやすく、あかちゃんが発音しやすい音に言い替えてあるという特徴があります。子どもにことばが通じてうれしいという気持ちを持たせるにはプラスになります。ことばが達者になるまでは、使ってよいでしょう。

Q8.子どもが同じことを何度も何度も聞いてきて、「ことばをちゃんと理解してないのだろうか・・・」と不安になることがあります。
  →子どもは同じことを何度も聞いて「たしかめたい!」という気持ちがあります。また、ことばを知りたいというよりもお母さんが自分のために答えてくれた、かまってくれたことを確認して安心したいのです。同じことを何度も言うのはイライラしますよね。でも、できるだけ答えてあげて欲しいと思います。

Q9.1歳では2語で、3歳になったら長い文章で話しかけた方が良いという法則はありますか?
  →お母さんは自然と子どもの発達に合わせた話し方ができているものです。あまり気にしすぎることはありませんが、長過ぎる文は控えましょう。せいぜい3語文の短い文での話しかけが良いと思います。

Q10.幼稚園年少の男の子ですが、まだ発音が赤ちゃんっぽいところがあります。しばらく様子見で大丈夫でしょうか?
  →子どもは食べ物をよくかむことであごが発達し、4歳半くらいから発音がきれいになってきます。3歳代ならまだ大丈夫です。たくさん話すことで、さらに舌や唇や顎が鍛えられます。発音の幼さは気にせずたくさん話すようにしましょう。

Q11.これだけは、子どもに言ってはいけないNGワードはありますか?
  →私も「あんたなんかいらない!」「どこかに行って!」と言ってしまったことはあります。大事なのは、言ってしまった後。お母さんと子どもの間に基本的な信頼関係があれば、「さっきはごめんね」と素直に子どもに謝ることで修復は可能です。

Q12.言い間違いはその都度訂正した方がいいのでしょうか?
  →子どもが言ったことばに間違いがあっても、言い直させたり訂正するのではなく、さりげなく正しく直してあげましょう。カラスのことを「たあちゅ」と言っていたら、「そうだね」と一度受け止めてから「カラスだね」とさりげなく言えばいいのです。

Q13.ことばが遅いと健診などで「いっぱい話しかけてあげてください」と言われることがありますが、ことばが遅いと話しかけていない場合が多いのでしょうか。
  →子どもに話しかけることは確かに大事なことです。でも「話しかけなきゃ!」と自分を追いつめることはありません。DVDを見せっぱなしにしているなど極端な環境でなければ大丈夫。何か特別なことをしようとしなくても、日ごろの生活の中で自然にやっていれば十分です。

取材を終えて・・・

講演会の最後に参加したママさん達にアンケートをとっていました。その中で多く書かれていたのが「自分だけじゃないんだと安心しました」ということば。どのママも自分の子がちゃんと正しいことばを正しい発音で話せるようになるか心配ですよね。また、自分が母親として子どもに良い話しかけ、働きかけができているかも不安に感じているのです。

幼児期は体の発達だけでなく、ことばの発達も個人差がとても大きい時期だそうです。ついお友達と比べて焦ったりしてしまいがちですが、今は「わかることば」を増やしている時期なのだと考え、気長に待つことも大事ですね。今しかない赤ちゃんことばや可愛らしい言い間違い、つたない発音をお子さんと一緒に楽しむくらいの気持ちでつき合っていきましょう。

相談先

あいとぴあセンター 

「ことばの相談」
  ⇒月1~2回水曜午後に行なっています。中川先生も講演会で何度か話されていましたが、やはり実際にお子さんと接してみなければわからないそうです。事前予約制ですので、電話予約の上ご来所ください。
 

教育相談所(受入れはおおむね5歳から)

教育相談室
 ⇒お子さまの心身の健康・行動・性格・学習や教育関係でのお悩みや、ことばの心配事についてご相談に応じます。 

 

 

中川先生とお話ししているとなぜか心が穏やかになってきます。
私も毎日わが子に「早く」「もっと」と求めてしまいがちなのですが、じっくりゆっくり接することができる母親でありたいなぁと反省も踏まえて実感できた取材でした。
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by  リン のん

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