第3回狛江市子ども・子育て会議〜乳幼児の心の育ちのために〜
2013年10月25日
平成25年10月2日(水)18時から、市役所4階会議室で、『第3回狛江市子ども・子育て会議』が行われました。
今回より、民営化予定の和泉保育園と宮前保育園の園長が、事務局のメンバーとして同席することになりました。
市立保育園民営化に伴い配慮すべき事項について
○民営化予定の保育園での説明会に出席できなかった保護者対象のアンケートが実施され、その意見をまとめた資料についての説明がありました。
質問に対する回答は、10月中に行われる2回目の説明会で行われます。
1回目の説明会での議事録は、公開されています。
委員から、アンケート結果の中に出てくる「保育の質」について、何を根拠としているのか?という意見がありました。
保護者がそう思っているという実態から考えていかなければならない、こういった意見をふまえて「配慮すべき事項」について考えていかなければならない、という話が出ました。
○ 市立保育園民営化に伴い配慮すべき事項について、各委員から集めたところ68項目にのぼりました。
委員より「過去に横浜で『在園児がいる限り公立化は延期するべき』という事案が最高裁まで争われたことがあるが、市では承知しているか?」という意見がありました。
これに関して、事務局より「市では横浜の事案は承知しており、行政が一方的にすすめるわけではなく、保護者の意見を聞きながら慎重にすすめていく」という説明がありました。
○保護者の意見は多様。
委員より「民営化した保育園に通わせたくないという保護者もいる。
保護者の意見は、多様にあるものなので、公立保育園に満足されている方もいる一方で、もう少し違う保育を求めている方もいる。」
また、「狛江市が民営化について、狛江市がどのようにしようとしているか、中長計画を保護者は知りたいのではないか。
保護者との明確な話し合いは1〜2年かけて行うべきではないか。」という意見も出ました。
○公立保育園から民営化保育園の引き継ぎ。
委員より「引き継ぐべきものがあるとすれば『より良い保育園をめざす』べきではないか?」
これに対して、公立保育園が公的な指導として、民営保育園を指導していくという話が出ました。
説明会では、「今のやり方でやってほしい」という保護者の意見が多かったそうです。
では、公立保育園と何が同じだといいのか?
保護者が知りたいのは、細かいところのようです。
○丁寧な説明が必要
保護者が知りたい細かい部分は、たとえばイベントについて
…保育の時間、延長保育、早朝保育、父母会、芋煮会、アレルギー対応などについて、説明会で質問が上がりました。
また、民営化されると、どんな保育になるのか、保育士はどうなっていくのか、ということについても説明が求められています。
委員からは「概念的な言葉だけでなく、経費削減など数字的なこともはっきり出していくべき。
公立ではなぜ経費の削減ができなかったのか。
民営にした場合、5〜10年後に園がなくなっている場合もあり得る。
少子化で、対象者が少なくなっていくと、当面の待機児童の解消のあとは、統合などもあり得る。」
これらについて、丁寧な説明が必要であるという意見が出ました。
○公共性
委員より「民営化保育と市との関係への不安があるのではないか。
民営化と市の第一義的な責務との関係、公共性が担保されることを明確にしておく必要がある。
法的にはっきりさせておくべき。」
公共性については、設置条例の必要性があげられました。 民営化後も、三者協議会を行う予定だそうです。
また、委員より「今現在でも、民営保育園は市の指導や監査を受けている。 たとえば、経費についてなどでも指導や検査を受けている状況である。
私立保育園の運営は、国、都、狛江市の税金で運営されている。
狛江市の歴史として、一番最初に設立された保育園は民間保育園であるということも知っていてほしい。」という意見がありました。
『子ども・子育て会議』では、これらの、委員、保護者の意見をまとめて『配慮すべき事項』を盛り込んで案を作成していきます。
乳幼児の心の育ちのために
中川委員よりミニレクチャーがありました。
「ことばの発達にかかわる法則」についての話でした。
地域ではぐくむということ。『子どもの育ちは、子どもの生得的形質と周囲の環境との相互作用によって進展する。』
妊娠中、新生児期の母子コミュニケーション
妊娠8ヶ月ころから聴覚器が働くようになります。
話しかけ、声を聞くことで、生まれてすぐ母親の声を聞き分けることができます。
まなざしが育てる子どもの心
新生児期、まなざしが子どもの心を育てます。
授乳中に視線を求める赤ちゃんと、それに応じるお母さん。
新生児期でも20センチ〜30センチ はよく見えます。
乳児期には、同じものを見る「共同注意」が大切になってきます。
愛着を育てる
愛着(アタッチメント)くっつくということには段階があります。
第1段階 0〜2ヶ月ころ
第2段階 3〜6ヶ月ころ 甘え泣き
第3段階 6〜8ヶ月 人見知り、後追い 8ヶ月〜2、3歳分離不安、共同注意の成立
第4段階 3歳以降 ことば
赤ちゃんにとって、応答してくれる大人が必ずいることは大切です。
愛着としつけ・安心感をもたらすことばかけ
しつけ=社会規範の内在化 愛着が基本
特定の養育者への愛着の育ちが大切です。
子どもに安心感をもたらす「ことばかけ」
子どもの注意に大人が興味を向ける
避けたいことば
おどかすことば…「○○しないと○○できないよ」
言い換えてみましょう→「手を洗ったら、おやつにするよ」
禁止のことば…「ダメ!いけません!」
言い換えてみましょう→「手を洗おうね、おやつだから」
一方的な命令のことば…「片付けなさいよ」
言い換えて見ましょう→「そろそろ片付けようよ」Let'sのことばにしてみましょう。
親の安心感が子どもに安心を与えられるのです。
参考「乳幼児のこころ 子育ち・子育ての心理学」遠藤利彦他 有斐閣
「生まれたときからことばを育てる暮らし方」中川信子 保健同人社
ミニレクチャーを受けてみて
レクチャーの中で、授乳中にスマホや携帯をいじっているというお母さんの話が出てきました。
聞いていて、授乳中に視線を合わせることの大切さ、子どもが赤ちゃんのころに知っていたかった…と思いました。
幼児期、話せる時期になって突然言葉がでるのではなくて、愛着の段階を経て「ことば」というコミュニケーションが育つということがわかりました。
安心感を与えることばかけについては、中学生の母としても大変勉強になりました。
今後の予定
○子ども・子育て支援に関するニーズ調査について
10月1日から3日に配布され、15日が締め切りです。
○就労状況アンケート
あずかり保育の充実をはかるため、市内幼稚園に通う保護者(市民)700人を対象にアンケートを行う予定です。
現在、私立幼稚園協会で設問を協議中です。
実施時期はまだ未定です。
今後の会議の予定としては12月までにニーズ調査をまとめます。
民営化について配慮すべき事項について、引き続き話し合います。
また、サービスの必要量について決定していきます。
認定こども園の必要性、障がい児保育、男性(父親)の関わりについても話しあってほしいという意見が委員から出ました。
次回は10月31日18時から市役所4階特別会議室
狛江市民の皆さんも傍聴できます。
「こまえスマイルぴーれ」を読んで下さっている皆さんも、時間があれば、ぜひ傍聴しにいらしてください。
(byたんちゃん。)