第13回、第14回子ども・子育て会議〜サービス見込み量と確保〜

2014年11月14日

第13回狛江市子ども・子育て会議は平成26年7月16日に、第14回は平成26年9月17日に行なわれました。

子ども子育てに関する新計画策定における基本的な考え方について 


事務局より資料を用いて、新計画の理念や視点に対する各委員からの意見や、基本理念、計画サブタイトル、基本的な視点の案を説明されました。

基本理念 (案)
みんなでつくる(自助、共助、公助による子育て)
地域で支える 安心して子育てのできるまち 狛江(顔の見える関係づくり)

委員から意見が出されました。
まだたたき台の状態なので、ブラッシュアップしていこうということになりました。
会長からは「本会議におけるこれまでの議論も踏まえつつ、考えていきたいと思います。ぜひ、各委員には具体的な施策のアイデア等をお考えいただきたいと思います。」とのことでした。
子ども・子育て会議3.JPG

サービス見込量について


これについては、これまで時間をかけて、より狛江の現実にそったものが出来るよう、実績を踏まえた補正がされています。
見込み量を考えるに当たり、人口推計の再推計がされました。
また、具体的にサービスの内容にそった見込み量についても考えられています。
教育や保育サービスの他、利用者支援事業、乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)、養育支援訪問事業、妊婦健診事業の見込量についてなどです。
狛江市の人口については、当初の推計よりも子どもの人口が増えています。
事務局としては、詳細な分析まではできていないが、平成26年に未就学児が増えた理由と考えられるのは、市内に大規模なマンションが建ったことや、新たに保育園を2園新設したことにより転入者を呼び込んだということが考えられるようです。

また、こんにちは赤ちゃん事業の対象世帯数が出生数を上回っているということもあり、
これについては「新生児を抱えて転入してくる、つまり赤ちゃんが生まれた直後に転入してくる人がいる」ということも考えられるようです。

話し合いの中で「こんにちは赤ちゃん事業の実施率はどのように考えればよいのか?」という質問がありました。
これは、実施率が100%を下回っている理由としては、先ほどの里帰りであったり、生まれた後海外に赴任したなど、実際には狛江市に住んでいなくても住所は狛江市にあるという方もいるということ、
また、 具体的には電話連絡をしてから保健師と助産師が訪問するのだが、連絡がつかないなど生後4カ月までに実施に至らなかったり、2人目、3人目ということで訪問を断られているケースもあるようでした。

最近、居どころが不明の子どもの存在がクローズアップされており、そういった把握できていない子どもは、健診を受けていなかったり、虐待を受けているなど大きな問題を抱えている可能性がある。
その辺をいかにフォローしていくかが、虐待の未然防止や居どころ不明の子どもたちの対応につながるという意見も出ました。

これらのニーズ調査では将来の利用意向を聞いているので、子どもの人数が大きく減少しない限り、現状よりもニーズ量が高くなることが考えられます。
国から下回ってはいけないとの指示はありませんが、計算式の性格上、下回った場合にはニーズ調査の結果がきちんと現状を反映しているかどうかチェックするようにとのこと。

このテーマについては、数値的な部分に注目して考えがちなのですが、委員からはニーズ調査の自由意見欄にある意見にも耳を傾けていくことも大切だという意見が出ました。
また、平成27年新しく行なう事業(保育コンシェルジュのようなもの)のニーズについても説明がありました。

サービス見込量に対する確保体制について


事務局より、市内サービス及び定員ごとに、教育・保育の量の見込みと確保体制に関する数値の見方について説明がされました。
ここでも、狛江市の子どもの人口が増えている件について意見が出ました。
市内に大規模なマンションができたこと等により、子どもの人口が増加しているとの説明があったが、これは突発的なファクターだろうと思われるが、将来の人口推計ではこの辺りをどのように考えているのか?
事務局としては、突発的な要因について、人口推計では除いている。
いわゆる平年ベースでの伸び率で計算をしているとのこと。
しかしながら、委員からは、
「現在市内に建設中のマンションがいくつかあり、そういうことを考えても対象となる子どもが増えていくと予想される。
また、働く母親を増やそうという政策が進んでいることを考えれば、出産1年後には仕事に復帰したいというニーズが高まるだろう。
0~2歳の受け皿をもう少し増やしておかないと、やはり足りなかったということになりそうで不安だ」
という意見も出ました。

また、平成27年度における保育所については71人分の枠が余るという見方でよいのか?という質問もありました。
これについては、今年度に東野川保育園みんなの家とベネッセ狛江保育園の2園が新設されることが関係している。
また、幼稚園が現状で足りていないという部分については、これはあくまでも市内の幼稚園がベースになっており、利用定員数を市内の幼稚園だけしかカウントしていない。
従って、市民の方が市外に行ったケースは除かれていることから見た目上余っているという格好となっていますが、現実的には足りているだろうとの見方がされています。

他に
「これは数だけで計算をしているので、実際には保護者が子どもを預けたい保育所の希望とのマッチングの問題もある。
利用希望が殺到したり、逆にそうでもない保育所もあるというアンバランスが実際には出てくるだろう」
「今は保育所に通っているが3歳からは幼稚園に入りたい、3歳から年少クラスに入りたい方が見学に来る傾向が増えている」
「先日報道された貧困率の問題、ひとり親の貧困率は高いということで、働かざるを得ない層がやはり増えているということを考えると、先ほどあった0~2歳を対象とした保育の充実が必要ではないか。」
という意見も出ました。

数値の見方を理解することも重要ですが、待機児が今後どのようになっていくのか、委員の知識や今までの経験などを踏まえながら、継続的に議論してくことになりました。

学童クラブの量の見込みについて


学校の協力で子どもの意見を取り入れてはどうか?
ここで、「子ども本人の意向調査が必要ではないか?」という意見が出ました。
その理由は、小学生クラブの活用について、「子どもと相談して決める」と答えた親の姿勢があったため。

その必要性の是非について委員からさまざまな意見が出ました。
子の放課後の居場所について決定するのは、親なので、子ども本人の意向を聞く必要はないのでは?
学童に通っている子は「クラスの子とも遊びたい」 という場合もある。
小4の壁といわれる、学童の預かりが終わる小学4年生のときに、仕事をやめてしまう女性がいる。
小3まで学童に通っていた児童が小4からKoKoAに行く場合が多い。
施設を強くすると、地域とのつながりが薄れるのではないか?プレイパークや、プレイセンターはどうか?
児童遊園の活用。
親としては、「寄りたいときに寄れるもの。安心できるところ」が希望。
児童館併設の小学生クラブを増やして欲しい。

この件については引き続き検討することになりました。

ミニレクチャー


第14回の会議では、認証保育所代表の宮武委員から「認証保育所の制度と保育」についてのレクチャーがされました。
認証保育所は「現在の保育所だけでは応えきれていない大都市のニーズに対応しようとする都独自の制度」
「大都市の特性に着目した都独自の基準(認証基準)を設定」
狛江市の「小田急ムックたんぽぽ園」は認証保育所制度の第一号でもあります(平成13年8月開設) 。

認可保育所との違いは?
面積は認可と同じ。
認可は保育士が100%有資格だが、認可は60%有資格である。
運営に要する経費(基準額)の二分の一ずつを都と区市町村が補助している。

保育園民営化について


第13回の会議では、宮前保育園父母の会から民営化に関する要望書が届いていること、すでに市が行った回答について説明がされました。

保育園民営化については、市に設置された委員会等では、ずっと話し合いを行ってきましたが、保護者にとってはあまりに突然の出来事のように感じたのではないかと思われました。
これを機会に民営、公営それぞれの良さも知りつつ、保護者と市が話し合いを重ねて距離を近づけることが大切だという意見も出ました。
委員からも

「やはり子どもをどこの保育所や幼稚園に通わせるかということはとても大事なことなので、家族も悩み、何回も見学に足を運んだりする。そういった保護者の気持ちを丁寧に酌み取った上で、前に進めていただきたい。」
「説明会ではなく懇談会を開催してほしいという要望は、決まったものをただ説明するのではなく、やはり意見を聞きながら決めて欲しい。」
「民営化に対する不安については、一つ一つデータに基づいた話をして欲しい。実際に私立保育園に通わせている保護者から話を聞いて欲しい」という意見が出ました。

子ども・子育て会議では、保育園民営化にあたって配慮すべき事項をかなり丁寧に議論してきました。
今回いただいた要望書を見ると、本当にさらなる丁寧な保護者への説明がやはり必要であると感じています。
要望書に対する回答はすでに市から行われているとのことですが、本子ども・子育て会議の姿勢、市への意見、要望としては、今後も引き続き保護者に対して丁寧な説明をお願いしていくという方向でまとまりました。

(by たんちゃん。)