「狛江子ども食堂 学習会」レポート 後編

2016年7月22日

2016年6月26日に狛江市あいとぴあセンターで開催された「狛江子ども食堂 学習会」の様子を、前編に引き続きお伝えします。

会場内の様子

 

東村山こども食堂 中村恵美さんの質疑応答コーナー

 

 

Q1 一般家庭で子ども食堂をやる場合、知らない人を自宅に入れることに抵抗がある人もいるのでは?また、食材を調達する財源は?

 

A1 古民家を借りた時は手弁当でした。しかし、今後子ども食堂の活動が助成金対象となり、個人での開催についても対象となっていくことが予想されるので、助成金を申請するのも1つの選択です。東村山こども食堂については、講演先や企業に募金をお願いするなどしています。

個人の自宅開放をしたい場合は、必ず会員制として、保護者と連絡が取れる状態にしてください。また、保健所に登録するなど、必ず安全性を担保するよう努めて下さい。

また、一番大事なのは「自分でできる範囲以上のことはやらない」ということ。口コミベースで少人数から始めるのがオススメ。

 

Q2 会員制にすると、本当に貧困家庭の子どもに利用してもらえるのか?

 

A2 子ども同士の口コミで、時間はかかるけれども必要とする子どもに届くと思っています。協力者も出てくるので、そこから必要とする子どもの情報収集もできていくはずです。やるとやらないは大きく違います。やることで新しい状況が見えてくるので、1年は継続してほしいですね。

 

Q3 7月から公共施設を使って子ども食堂を開くことが決まっている。子ども食堂に行く=貧困状況にあるということになり、来にくいのでは?

 

A3 「子ども食堂に子どもを行かせている=子供に食事を与えていないダメ親」だと思われるのでは?と世間体を気にして利用しないという人も実際います。貧困家庭の子どもに焦点を当てる場合、人が来ても来なくても開き続けることが必要です。または、食堂を開くことだけではなく、子どもを支える方法は多様にあります。店先に食材をいれた箱を置いておき「自由にお取りください」という形で食料を提供している人もいます。また、給食のない横浜市内の市立中学校・義務教育学校を対象に、1日単位で申し込み利用ができる横浜型配達弁当「ハマ弁」のように、欲しいと言ったご家庭に均等に配るけれども、所得によって料金を変える、よって受け取っているイコール貧困家庭とは見えず、本人も受け取りやすいという工夫をしている取り組みもあります。

本当に必要としている人が安心して利用できる状況を作ることが大事。ネーミングも「料理教室」「カフェ」「おしゃべりの会」など、なんでもよいです。また、孤食の子どもも多いので、何をもって貧困か、ということも考えて欲しいです。

中村さん

 

Q4 現在東村山にいくつ子ども食堂があるのか、また同じ市内でやる場合組織として運営していくのがいいか、連携していくのがいいのか?

 

A4 各町子ども食堂は多様化がテーマ。現在4町で開催しています。ご自宅、カフェ、古民家を使った料理教室で、元々市民活動をしてきた人たちが自立運営してくれています。発信者の想いが大事。その思いによって集まってくる人が違ってくるので、組織としてやらずに個々で思いを実現していけるように、私はコーディネーターとしてアドバイスをしています。

 

Q5 自宅開放について。地震が起きたりして、食事中の子どもたちがけがをした場合、主催である私が責任を取らないといけないのか?

 

A5 必ずボランティア保険に加入してください。災害だけでなく、アレルギーや食中毒など食にまつわるトラブルも考えられます。まず、保護者との連絡を密にして、事前に情報共有をすることも大事です。

 

 

NPO法人 フードバンク狛江 田中好幸さんのお話

 

第2回子ども食堂から、お米の提供をしているNPO法人フードバンク狛江の田中妙幸さんから、フードバンクの活動と、狛江の現状をお話しいただきました。

田中さん

フードバンクとは?

 

賞味期限内の食品を企業、個人から寄贈、寄付してもらい、無償で生活困窮者や福祉施設などに提供する社会活動。市民参加の食糧寄付活動をフードドライブといいます。

1日に食べられる食品の約3分の1、年間で500~800万トンもの食品が廃棄されているといわれており、半分は企業から、半分は個人家庭から出されていると言われています。よって、この活動はフードロスを減らすことにも貢献しています。

 

フードバンク発足のきっかけ

 

2014年の夏、近所のアパートに暮らしていたひとり親家庭の子どもとの出会いがきっかけ。

母親が正規職員として働いているにもかかわらず、月収が13万円ちょっと。正規職員のため生活保護が受けられない現状を聞き、行政福祉のサポートから零れ落ちている人々の存在を知り、ショックを受けた田中さん。

そんな中、フードバンクという取り組みをテレビで知り、すぐさま先駆け的存在であるフードバンク山梨を訪問、2014年秋より勉強会を狛江で行うようになりました。

 

 

現在の活動状況

 

フードバンク狛江では、要請があった場合に支援をしており、狛江市福祉保健部の生活困窮者相談窓口「こまYELL(こまエール)」と連携して昨年7月より緊急食糧支援活動を開始。2016年6月現在、54世帯に92回食糧支援しています。他都市では4世帯支援しています。

ただ、困窮者自らが支援を求めるケースが少なく、フードバンク狛江にも他都市からの要望が多いそうです。

 

田中さん:「全体の貧困率より、子どもの貧困率が高いのは日本だけ。生活費を節約する場合、一番先に削ろうとするのが食費です。しかし、フードバンクでは単発の支援しかできない現状で、その場しのぎにしかならない。本当の意味で困窮者支援は、他の活動団体と連携して支援ネットワークを作ることが必要なんです」

 

 

2016年7月24日に、狛江エコルマホール・多目的ホールにてNPO法人設立報告会・記念講演会を開催予定。

関心がある方は、ぜひ足を運んでみて下さい。

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「なくそう!子どもの貧困~地域でつなぐ支援とは」―NPO法人設立報告会・記念講演会

日時 7月24日(日)12:30開始

会場 狛江エコルマホール 6階多目的室 

定員:100名

講師:山野良一氏(「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワークを設立、世話人。ソーシャルワーク修士、専門社会調査士。著書「子どもの貧困を押し付ける国、日本」)

入場無料 (詳細はホームページ http://fb-komae.org/ にて)同時にフードドライブ(食品寄贈)も受け付けています。

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取材を終えて

 

自分の身近にも困っている子どもがいるという現実に、少なからずショックを受けました。地域の大人である私ができることは、現状を知り、市内には子ども食堂やフードバンクという取り組みが実際に行われていることを多くの人に広めることです。この記事が多くの人に読まれることを願うばかりです。

 

(by shino)