防災カレッジ(子育て世代向け) その2 ~地域のどんなところが危ないか~
2016年9月23日
8月13日に行われた狛江市防災カレッジ子育て世代向け講演会をレポートします。
講師:アウトドア流防災ガイド あんどうりす さん
レポート1 ~地震・水害のとき~ の続きは、火事、雷、蜂に合ったときどうすればよいのか
そして、地域のどんなところが危ないのか、というお話しです。
火事
自宅の周辺を把握しておく
古い建物が崩れると火事が起きやすいです。
ハザードマップで古いお家が密集しているところから火事が起きると言われています。
では、自分の自宅の周辺で古い家が密集しているエリアをイメージしてください、
そしてそれが自宅のどの方角であるのかをイメージしてください。
もし北風が吹いているときに、北側にその古い家の密集があったら、自分の自宅が無事でも、火事がくるかもしれない。
だから風向きが非常に大事です。それによって逃げるかどうかがわかります。
親子で方角がわかる生活を普段から取り入れてみてください。
是非、方角や地図が読めるようになってください。
夜中に地震があったあと、北風が吹いてきました。皆さんはどこに逃げますか?
その場合は90度の角度で逃げてください、東か西に逃げる。
その時の逃げる方角は、磁石がなくても星座がわかれば方角がわかります。
スマホがある人は星座アプリが入っていれば方角がわかります。
火事の中を逃げることになったら
もし火事の中を逃げることになったら、煙が怖いので低い姿勢で逃げます。
ハンカチなどが何もないときは自分の服の中の空気を吸うと良いです。
ちなみに非常口マークのピクト君が向かっている方向は、大抵逃げ道を指しているということを知っておくと便利です。
雷
1,2,3と数えて、3キロあるから大丈夫、というのは古い情報なのでやらないでください。
今は、雷が目に見えたり耳に聞こえたり人間が感知できたら全て危険区域だと言われています。
だからすぐに頑丈な建物に逃げるということが大事です。子ども達には、外に居たら、雨宿りしたくなる場所は危ないと教えてください。
運動場のテントの下などは逃げたくなるところですが危ないです。
蜂
以前は、頭を手で覆って、ゆっくりその場から離れる、という方法で良かったのですが、
最近の蜂はそれでもいきなり刺してくることがあります。
蜂は匂いを受けると攻撃されたと認識する習性があります。
私たちの香りの強い洗濯洗剤の使用が、蜂の攻撃性を高めている原因になっている可能性があります。
ベビー用のアロマの蚊よけは蚊には効きますが蜂は寄ってきます。蚊と蜂で、場面によって使い分けるといいと思います。
地域のどんなところが危ないか
古い家が密集しているところは火事が起こりやすい
屋根瓦は台風、地震の時に落下してくる。屋根瓦は一枚4キロある。
ブロック塀
ブロック塀は1個10キロあります。倒れるときは板チョコが倒れるように倒れてきます。震度5で倒れると言われています。
子どもの通学路にこれがあったら危険です。1個10キロのブロックが一気に倒れてきたら、子ども達に逃げ場はありません。
お花模様のブロック塀は鉄筋すら入っていません。
石垣の上に乗っているブロック塀も鉄筋は入っていません。
鉄筋が入っているブロック塀ですら撤去してほしいと言われている世の中なのに鉄筋が入っていなかったらすぐに倒れます。
万年塀も同様です。静岡県ではブロック塀の撤去をすると10万円、他の塀に変えたら25万円の助成金が出ます。
狛江市は生垣に変えたら助成金がでます。
世田谷区のある学区の住民が通学路の安全を確保するためにお金を集めました。
10万円集めれば10メートルのブロック塀を撤去できます。
年末の助け合い募金などで集めてブロック塀を無くしていく、ということができるので、
生垣の助成金と合わせて自分たちで取り組んだ方が早いですね。
ブロック塀がもし倒れたら、不可抗力とは言えない可能性が
ブロック塀がもし倒れたら、不可抗力とは言えない可能性があります。
なぜなら昨今、震度5、6は頻繁に起きているからです。
ブロック塀が倒れてケガをさせたら損害賠償責任を負わないといけない可能性があります。
うちの地域は安全だと思っているところほど、こういったことが放置されているので
是非皆さんの力で無くしていく方法を考えて頂きたいと思います。
安全性を確認しておきたい箇所
学校や園の体育館の天井
もし天井が落ちてきたら、せっかくヘルメットを被っていても大変なことになるので
先に天井を直しておくということを知っておいてください。
お台場に科学未来館というところがありますが、東日本大震災で実際に天井がおちました。
学校の電球
文部科学省が、もう使わないようにとNGを出している学校の電球が、学校で新しく変えたものでまたこれになっているという例をいくつか見ています。
もし学校で使われているのを見つけたら、先生に教えてあげてください。
エレベーター
震災が起きた場合、都内だとエレベーターに一週間閉じ込められる可能性があると言われています。
マンションの方はエレベーターの脱出訓練をしたことがありますか?
脱出の仕方については、どのエレベーターかにもよりますので一概にはいえませんが、
おおまかに言えば、
エレベーターの外の人が主電源を落とし(エレベーターが急に動き出すと大きな事故につながる)、
管理人室から鍵を持ってきて手動で扉を開けます(扉の位置は要確認)。
マンションの皆がこれを知っていたら、もし閉じ込められた人が居ても一週間待たずに出てこられます。
マンションの管理会社に頼めば訓練をしてくれる場合もあるようです。
家の中での対策
一戸建ての方
寝室は是非2階にしてください。1階だと倒壊の被害にあう可能性があります。
ただし、1階のみ耐震工事をしたケースなどで2階のみ倒壊したケースもあります。
自治体の耐震診断を受けて対策をしてください。
家具の固定
地震のとき、家具はすごく飛ぶと思っていてください。
その為、家具の固定をしておくことは非常に重要です。
冷蔵庫は固定しておくと地震の際に飛んでくる可能性も減りますし、
冷蔵庫が無事なら食料の確保の面で有利なので、特に固定したいですね。
家具の固定の仕方は、特にねじ止めが一番いいです。
ただ借りている家ではねじで止められないので、他に固定グッズがあるので探してみてください。
次回は、いざ逃げるときに知っておくと良いお話しです。
by ティッチ