防災カレッジ(子育て世代向け)その3 ~いざ逃げるときに知っておくと良いこと~

2016年10月7日

8月13日に行われた狛江市防災カレッジ子育て世代向け講演会をレポートしています。
講師:アウトドア流防災ガイド あんどうりす さん

レポート2 ~地域のどんなところが危ないか~ の続きは、いざ逃げるときに知っておくと良いことを伺いました。

 

 

災害時、逃げるときに知っておくと良いこと

 

ベビーカーで逃げる?

タイヤは、タイヤの半径以上の高さは物理的に乗り越えられないということを知っておいてください。
ベビーカーのタイヤの半径は小さいので乗り越えられないものが多いです

 

サラシでおんぶ

サラシは10mで売っています。
半分の5mがあれば大人が相手でもおんぶできます。残りの5mは包帯や下着などとしても使えます。
紐でのおんぶは伝承が途絶えている技だと言われています。
でも、災害時にとても役に立ちますので、動画のサイト等で参照してやってみてください。
実はこのおんぶの仕方の方が、抱っこ紐よりも軽いです
また、一度このやり方を覚えれば、サラシがなくてもそれに似た代用品
(カーテンやシーツなど)でおんぶすることが出来るようになります。
子どもや荷物を軽くするのには2つのポイントがあります。

自分の重心よりも相手の重心が上にあること。(人の重心はだいたいおへその辺りです。)

揺らさない。(揺れると2倍の重さを感じます。)

重心を一体化 とにかく揺らさない

この、自分より重心が上、揺らさないの2点を守れば、
サラシが無くても、服の中に子どもを入れて、紐を2本使ったり、
究極の荒業としてガムテープを使ったりして避難することができます
ただ普通のガムテープではくっつきませんので、
パワーテープ、ダクトテープという何にでもくっつくテープがホームセンターで
販売されていますので用意しておくといいです。
また、高い位置でおんぶ・抱っこをすると、子どもが「しがみつく」ということを覚えます。
しがみつくことを子どもが覚えていると、災害時に逃げやすくなるので親子で助かる可能性が高くなります。
やってみましたサラシでおんぶ
(実際に紐でおんぶ、やってみました。抱っこ紐より本当に楽ちん…)

 

 

新生児の赤ちゃん

逃げるとき、新生児の赤ちゃんならバスタオルにくるんで、トートバッグなどに入れて、持って運ぶ、ということができます。

 

 

普段のカバンを防災仕様に

 

防災グッズの近くで被災するとは限りません。だから毎日持っているカバンを防災仕様にしてください。
毎日持ち歩くカバンに防災グッズをいれておく

先ほどのお話に出た重心を高く、そして揺らさない、これをすれば荷物が軽くなって逃げやすくなります。

おしゃれなバッグをいつも使っているという方は、レジ袋の代わりにもなるような、
折りたたんで小さくなるリュックがあるので、そういうものをバッグの中にいつも入れて頂けたら素早く逃げることができると思います。

 

携帯電話・スマホ

携帯電話、スマホなどで、もし緊急地震速報が鳴ったら、素早く安全な場所に逃げてください。
「安全な場所」かどうかを確認するには上と横を見てください
上から何か降ってこないか。横から飛んでくる家具はないか。
子ども達は緊急地震速報を聞くと怖くて体が固まってしまったりするので、
普段から緊急地震速報に慣れるようにしておくといいですね。例えば緊急地震速報に何か愛称をつけて
「ピロリンが皆の命を守ろうって言ってくれているよ」などと言った声掛けを普段からして慣れさせておくといいです。

 

ホイッスル

重たい物の下敷きになってしまったら…? 
長時間(だいたい大人だと一時間)挟まれたら、物をどかしてはいけないと言われています。
クラッシュ症候群が起きてしまうからです。
一般人に出来ることは挟まれている人に水を大量に飲ませることくらいだと言われています。
その為、早く助けてもらうことが重要になります。そこでホイッスルがあれば役に立ちます。
ホイッスル購入時のポイントは、なるべく軽い息で大きな音が出るもの
子どもでも簡単に大きな音が出せる物を選んでください。
静岡市は子ども達に、防犯ブザーではなくホイッスルを持たせています。
ブザーは電池切れなどが起こりますがホイッスルはその点でも安心です。

子ども達は逃げるときに「おはしも(おさない・はしらない・しゃべらない・もどらない)」という標語を教えられています。
逃げるときに黙っていなければいけないということを厳密に守ろうとして、
物に挟まれていても黙っている子どもが居るそうです。
何かに挟まれたら音を出して助けを呼ぶということを教えてあげてください
ホイッスル
(ホイッスルは安価に手に入りますし、すぐにでも取り入れられそうですね。)

日本製のホイッスルや、IDカードには、血液型を書かせるものが多くあります。
しかし手書きの血液型には何の証明力もなく、それを見て輸血されることはありません。
むしろせっかく書くならアレルギー情報を書いてください。
今3人に1人のお子さんにアレルギーがあると言われています。
その場合、アレルギーの製品名(例:小麦、卵)を書くのではなく、OK商品を書いてください(例:○○社のアルファ米は食べられます。)
避難所などで食べ物にアレルギー製品が入っていないかどうか
一つ一つチェックすることが実際には難しいからです。

詳しくは「アレルギーサインプロジェクト」をご覧ください。

 

 

お薬手帳・母子手帳・療養手帳

コピーがあるだけで、同じ薬を処方してもらえるので携帯しておくと便利です。

 

 

LEDのライト、ヘッドランプ

懐中電灯は電池の効率が悪く、大量に電池が必要です。その為、是非LEDでライトを用意してください。
特にヘッドランプがお勧めです。
普段はお子さんの耳かきの時にも使えますよ。
ヘッドランプ

 

 

マルチツール

普段使っているものを災害時に使いたいですよね。マルチツールを普段から使いこなせるといいです。
マルチツール

 

次は、最後のお話し、「災害後、役立つ知っておくと良いこと」です。

 

by ティッチ

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