<入学準備>就学支援シートを活用しよう。

2020年11月20日

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来春に入学を控えたお子さんとそのご家族の方は、そろそろ入学への実感が沸いてくる頃ではないでしょうか。

今年度は、新型コロナウィルス感染症の影響により、狛江市の小学校の入学式も、いつもとは違ったかたち(屋外、短縮など)にて行われました。その後すぐ、緊急事態宣言が発令され、長い臨時休校期間に。来年度は、入学式も例年通りのかたちで開催されるのか…など、まだわからないことも多いですね。ですが、各小学校では、常に最善の方法を考え、力を尽くしてくださっていることと思いますので、どうか安心して、入学の日を心待ちにしていただければと思います。

さて、そんな中でもとりわけ、お子さんの発達に心配のある場合は、小学校でうまくやっていけるだろうか、学習面は大丈夫だろうかと、不安を抱えている保護者の方も多いかもしれません。お子さんがスムーズに小学校生活をスタートできるよう、ぜひ活用してほしいのが、「就学支援シート」です。

 

就学支援シートって?


「就学支援シート」は、入学するお子さんの今までの生活や様子、ご家庭や園で行われてきた配慮などについて、あらかじめ伝えておくことのできるシートです。保護者、そして保育園や幼稚園の先生と、(通っている方は)療育施設の先生が、一緒に作り上げるもの。用紙のサイズは、A4を開くかたちでのA3(記入面は片面)。お子さんの様子や心配なこと、伝えたいことなどを、それぞれが記入し、提出したのち通う小学校へと送られます。

就学支援シートの記入欄には、下記の項目があります。

●健康・身体に関すること

●人とのかかわりに関すること

●日常生活に関すること(遊びや製作の様子)

●性格・行動に関すること

●指導上の工夫や必要な配慮

●その他

(1)保護者から(2)幼稚園・保育園から(3)療育機関等から、という3つの欄に分かれており、それぞれが、各項目を記入していきます。療育機関などから、という欄がありますが、必須ではありませんので、療育に通っていない場合も、提出可能です。

締め切り日までに提出した後は、教育委員会で写しをとり、入学される学校に配布されます。その後の活用方法は、学校により異なりますが、それをもとにした支援会議が開かれる場合が多いと思います。※個人情報の保護・管理は徹底されていますので、ご安心ください。

 

配布時期:配付中〔令和2年11月16日(月)〕〜12月15日(火)まで

配布場所:狛江市教育委員会教育支援課(狛江市子育て・教育支援複合施設「ひだまりセンター」)、狛江市教育支援センター

提出締切:令和3年1月29日(金)まで

提出先:狛江市教育委員会教育支援課(狛江市子育て・教育支援複合施設「ひだまりセンター」)

問い合わせ先:狛江市教育委員会教育支援課・教育支援係 03-5761-9041

詳細は、下記ホームページ参照

http://www.komae.ed.jp/index.cfm/7,625,30,1,html

 

 

支援シートの書き方


先生に書いていただく部分は、時間にゆとりを持ち、早めにお渡しするようにしましょう。保護者の記入欄がありますが、なにをどのように書いていったら良いのでしょうか。まずは園での様子を思い返してみてください。

我が家の子どもは、現在小学一年生。入学前に、就学支援シートを提出しました。幼稚園の頃は、園でも毎日楽しく過ごしてはいましたが、言葉の出てくるのがとても遅く、また気も弱かったため、言いたいことがうまく伝えられなかったり、何も言えないまま泣いてしまったりといったこともよくありました。年少、年中ぐらいまでは、体幹も弱かったため、ちょっと押されたり、ぶつかったりしただけで転んでしまったり…。先生が、皆に対し一斉に伝えたことも、何をすれば良いのかわかっていないこともあったようです。けれど、まわりのお友達に助けてもらったり、先生に個別でお声がけいただいたりといった力添えのおかげもあり、園生活を笑顔で過ごすことができました。

幼稚園時代を思い返したちょっとした文章です。実は、こういったことも全て、支援シートに記入できる内容です。

たとえば、

●穏やかで優しい子だが、自分の気持ちをうまく表現できないことが多い。

●言葉の発達の遅れもあったため、言いたいことがうまく言えず、泣いてしまうこともあった。

●体幹が弱いため、バランスがとりにくく、転びやすい。椅子に長時間座っていることが難しく、姿勢が崩れやすい。

●指示が長文・複数になる場合は、いくつかを忘れてしまうことがあるので、短く区切ってひとつずつ伝えてもらったり、個別での声がけがあると、とわかりやすい。視覚的な指示があるとなお理解しやすい。

といった具合。

細かな作業をすることが苦手なお子さんであれば、

●手先が不器用なので、細かい作業をする場合には時間がかかる。

●おはしはまだ使えない。

といったことも書いておくと良いでしょう。

肌の感覚に過敏のあるお子さんなどは、マスクをつけておくことが苦手といったこともあるかもしれませんね。また大きな音やある種の音が苦手だというお子さんもいるかもしれません。どんなことでも、事前に伝えておくことが大切です。

すでに病院や療育とつながりがある方や、専門家に相談をされているような場合は、入学後に心配されることについても具体的に予想がつくのではないかと思います。我が家の子どもの場合は、「読む」ことはできても「書く」ことが苦手かもしれない、板書も苦手かもしれない、などいくつかのことがありました。そういったことも、記入しておくと安心です。

支援シートは、短い文章で、できるだけ簡潔に書くよう心がけてみてください。箇条書きにすると、伝わりやすいのではないかと思います。書きたいことはたくさんあるかもしれませんが、まずは、その中でも特にこれ!という点にしぼって考えてみましょう。また、すでに療育などに通っている方は、療育施設で書いてもらっている個別支援計画を改めて見直してみるのもおすすめ。内容はもちろん、書き方や表現についても、参考になることが詰まっているのではないかと思います。

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支援シートを出した後は?


我が家の子どもが通う小学校の場合は、入学前の春休みに、支援者会議が開かれました。場所は小学校。参加者は、副校長先生、支援コーディネーターの先生、療育施設の先生、保護者(わたし)というメンバー。事前に小学校に届いているシートをもとに、色々とお伝えし、相談にのっていただきました。シートの中では伝えきれなかった部分も、直接お会いすることで詳しく伝えることができたように思います。何よりも良かったのは、わたし自身が、先生と事前にお会いできたこと。担任の先生は、まだ決まっておらず、お会いできていませんでしたが、これから通う小学校には、発達に関して理解のある先生がいらっしゃることがわかったので、入学後はお任せしておけば大丈夫、相談できる方々もいる、と安心できました。

※ちなみに、同じ狛江市内でも、支援者会議が入学後に行われた学校もあると聞きました。支援者会議の有無やタイミング、内容などは、全て学校により異なります。また例年と違ったスタイルとなることも、引き続きあるかもしれませんので、ご確認ください。

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小学校生活をスムーズにスタートさせよう

就学相談などをすでに済ませ、特別支援教室(通級)や固定級に通うことが決定しているお子さんのほか、通常級のみを予定されている方も提出可能です。

入学に不安のあるご家族にとって、支援シートを書くこと、またこれまでお世話になった先生に記入してもらい、それを小学校へと引き継いでいくことは、より安心できる小学校生活への第一歩です。これを機に、しっかりと向き合い、活字化しながらじっくりと考えることで、お子さんへの理解もより深まるのではないかと思います。ぜひ活用してみてください。

by coquille(コキーユ)

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