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HOME記事一覧発達障がいの息子を育てて#1

 入園式や入学式、それに進級しての新学期。春は子どもたちにとって、ステップアップして、新しい環境に向き合う季節です。ママやパパには子どもの発達が最も気にかかるシーズンかもしれません。

 自分のことを振り返っても、今の時期は子どもが新しい環境になじめるか、期待よりも不安とともに、神経を集中して息子を見守った記憶があります。なぜかというと、彼が発達障がいを抱えていたからです。

 既に社会人として働いていますが、彼の成長を手助けするために、ほかのママやパパがしないかもしれない経験を重ねてきました。スペースをいただいて、自分たちの子育てを振り返ってみたいと思います。パートナーの話を聞きながら、あらためて自分たちの子育てを振り返りました。私たちの体験は大したものではありませんが、それでも同じような悩みを抱えるママやパパがいらっしゃるかもしれません。そうした方々の参考になれば、幸いです。

 30年以上前のことなので、記憶に不正確な部分があるかもしれません。また、プライバシーを保護するため、抽象的な記述になっていることをご理解ください。(zaki)

▽いつごろ、気付いたか
 息子は昭和から平成に移り変わるころ、生まれました。なんかおかしいな、違うなと思うようになったのは、1歳数カ月のころでしたか。息子から感じた違和感をパートナーは以下のように表現します。

 「赤ちゃんを抱っこしてあやしているときの、赤ちゃんから発せられる、こちらの信号の受け止め方がおかしいと感じた。育児書を眺めながら子育てをしていたので、すべてがなんだかおかしいとは思っていた。自分の愛情がこの子に伝わらない。この子からの愛情がストレートじゃない。なんか、膜が1枚かかっている感じが常にあって、すごく違和感があったけど、それは1歳過ぎた時、その前から感じていたかな」

▽誰かに相談したか
 今はどうか分かりませんが、当時の狛江市では3カ月、6カ月、1歳健診というのがあったようです。パートナーによりますと、公的な機関に初めて相談したのは、1歳の健診だったようです。そのころには立ち上がって歩くこともできましたが、言葉が遅いようなところがあって、あまり言葉が出てこないというか、そういう部分が気になって相談したようです。そうしたところ、「まだまだ発達段階ですから。そんなの普通です」という回答をされたことをパートナーは覚えています。

 その後、特別な対応をすることなく、時間が流れていきました。2、3歳でしょうか、そのころの息子は子ども椅子に座らせたら、いつまでもじーっと座ってたり、車の車輪をずーっと回してたり、砂場遊びで他の子と遊ばなかったりという状態でした。今から思えば、自閉的な症状と言いますか、そういう傾向が徐々に明らかになってきたように思います。

 3歳になるころか、今は教育支援センターになっていますが、パートナーは当時の保健所へ相談に行ったことがあるそうです。子どもの成長に不安を持つお母さんたちの相談に対応していたそうで、言語療法士の方が月に1度相談会を開いていたようです。出席したパートナーによりますと、そこで示された見解も「まだ2歳だし、これから変わりますから」「あまり問題視するよりは普通に育ててください」とのことで、いなされたような感じだと受け取ったようです。当時は1990年代初頭ですので、「発達障がい」という言葉、概念が一般に普及しておらず、相談に当たる方々も、今のような知識を持っておられなかったのだろうと思います。
(#2に続く)

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