こまえの子育てのリアルな姿がわかる新連載、はじめます
読者のみなさま、こんにちは。
狛江市での子育てに役立つ情報を発信する「こまえスマイルぴーれ」、いつも読んでいただきありがとうございます。
ぴーれでは、新しく、狛江市で現在子育て中の方にインタビューする不定期連載、
「こまえの子育てのリアル」を始めます。
子どものときは、大人になることが人生のゴールだと思っていませんでしたか。
大人になったら、仕事につくこと、結婚すること、親になることがゴールだと思っていませんでしたか。
親になったら、自分の人生はどうなるのか――先の見えない不安を感じることは、ありませんでしたか。
実際はどうでしょうか。ゴールは見えたでしょうか。それとも?
ただ一つ確かなのは、それでも、人生は続くということ。
第1回目は、狛江で三姉妹を子育て中のママ・Yさんにお話ししてもらいました。
意外に知らなかった、聞けなかった、身近な子育て世代の日々や思い。
狛江で子育て中の方も、そうでない方も、ぜひ読んでみてください。
インタビュー:三姉妹のママ・Yさんの「こまえの子育てのリアル」
インタビューは子どもたちの集まる室内の遊び場で行われました。
幼稚園に通うお子さんのお迎えをすませ、親子4人できてくれたYさん。
ひとりで3人のお子さんを見るのは大変そう……それでも笑顔で、ハリのある声、とってもエネルギーを感じるお母さんです。
この日は、娘さんたちと聞き手(ぴーれメンバー・つぐみ)の子がにぎやかに遊ぶ様子を見ながら、お話を伺いました。
3人いるととにかく手が足りない
――お子さんの年齢は?
(Yさん)5歳、3歳、0歳です。
――お子さんが生まれる前はどんな生活でしたか。
仕事が楽しかったです。フルタイム勤務で、22時まで職場にいることもありました。みんなが敬遠するような難しい役割を任されても、かえってやりがいを感じるタイプです。
また、職場のバレーボールチームで汗を流すのも好きでした。
――現在は育休中なんですよね。
そうです。子どもはいずれほしいと思っていたので、自然な流れで長女を妊娠、出産しました。仕事の面ではキリのいいタイミングとは言えなかったので、自分も周囲も多少は驚きましたが(笑)子育てにはじっくり取り組むつもりで、長く育休を取ることに最初から決めていました。
――保育園もきびしいですしね。
ほんとにそうで、長女が生まれた2015年なんかはぜんぜん入れなかったので、0歳や1歳で復職するのはかなり諦めモードでした。結局、二女を授かったので、長女は幼稚園に通っています。
二女は今3歳で、本当は去年の10月に保育園に入れて復職のつもりでしたが、三女が生まれるのでさらに育休を延長することにしました。悩みましたが、二女も幼稚園に入園させることにしています。
――復職したら、お子さんは保育園に移るんですか?
その可能性もありますね。幼稚園の預かりもあるけれど、そもそもフルタイムで働いてるお母さんが少ないので。
――幼稚園と保育園だと雰囲気が違うかもしれませんよね。転園になることについて悩みませんでしたか?
少し悩んでいます。でも先のことはわからないですし。
――育休を取ることで将来のキャリアに不安を感じるお母さんもいるように思いますが、Yさんは数年単位で休んでいますよね。そのあたりはどうですか?
不安がないといえばうそになりますが、いったん離れてしまったら、何年休んでもあまり変わらないような気もします。現場の状況は常に変わるので、どちらにせよ復職した時点での状況に合わせて、また勉強しなおすことになると思います。やめるのではなく、育休という形で続けさせてもらえることがありがたいです。
復帰するつもりが、次の子の妊娠でできなくなってしまったことは申し訳なく思います。いつ戻ってくるんだろうとはたぶん思われているでしょうね(笑)
――育児をしていて最も大変なことは何ですか。
うーん、難しいですが、体力的な面が一番きついです。
――3人お子さんいらしたら、忙しいですよね。
ほんとに……。とにかく、手が足りない。
――家事とか、ごはんを作るのとかは、いつしてるんですか?
もう全部長女が幼稚園に行ってる間です。夕飯も、温かいほうがいいとは思うけど、無理だから、作ってしまって、夕飯時には温めるだけにしています。
――お風呂はどうしてますか?
私と3人の娘たち、全員一緒に入ります。私の手が足りないときは、長女が三女を抱っこして待ってくれてます。
――長女さん、頼もしい! ご主人はどんな感じでお子さんと関わっていますか?
主人は仕事で家を空けていることも多いのですが、子どもとはよく遊んでいます。娘たちも、主人が帰ってくると「パパ、肩車して!」「遊んで!」とすぐに向かっていくので、楽しく遊んでくれる相手だと思っているようです。
――男親にありがちな、厳しくてちょっと怖いというのはあまりないんですね。
うちでは、むしろ私のほうが細かくて、うるさいことも言う感じです(笑)
――なるほど。家事は分担していますか?
基本的に私が家にいるのでやっていますが、朝、洗濯ものを洗って干すのは主人にやってもらっています。朝、起きた時に洗濯機を回して、出勤前に干しておいてもらえると時間が有効に使えるので、助かっています。あとは、私のペースを尊重して、「何かあれば言ってね」と日頃から声をかけてくれているので、こちらから具体的にお願いするようにしています。
←あちこちで見かけるようになった子供のせ自転車は忙しい親御さんの強い味方。Yさんも活用している。(画像は本文と直接の関係はありません)
いまは1人になれないけど独りじゃない
――ご家族で協力しているんですね。 狛江市の中では、今まで、子育ての助けになった場所や、おすすめのサービスなどはありますか?
子育ての助けになった場所は、児童館や子ども家庭支援センターです。そこで出会ったママさんたちと話して、悩みなどを共有して心が楽になったのを覚えています。
――悩みを話せるだけで楽になりますよね。
やっぱり、住んでる地域のコミュニティが助けてくれるところは大きいです。狛江で生活していく中でママ友ができたり、子どもの育ちを一緒に見守ってくれる幼稚園の先生や地域の方がいたり……子育てと地域は切っても切れないものだと思います。
一人目の子が産まれた時は、突然、赤ちゃんとの生活が始まり日中誰とも会話せずに終わることに孤独感のようなものを感じていたのを覚えています。 それまで仕事もして、大人の中で生活していたのに、社会と少し隔離されたような状態になって、少し辛かったです。
しかし、二人目、三人目が産まれた時は、孤独感はまったくありませんでした。赤ちゃんを迎え入れることは同じなのですが、今までの経験があるし、上の子は上の子でいるから、お世話しなくちゃいけないし(笑)
――私(つぐみ)も二人いるので、わかる気がします、それ。
産前産後の心配事が全然違うんですよね。1人目のときは自分の体調だったけど、2人目以降はとにかく自分が動けないときの上の子の世話をどうするか、になる。
――なかなか自分の時間がとりにくい日々だと思いますが、Yさんご自身の趣味はありますか?
いちばんの趣味は、学生時代から続けていたバレーボールです。でも、未就園の子がいても所属できるチームはなかなか無くて、いまはやっていません。あとは、同じような子育て中のママさんと公民館でサークル活動もしています。
――バレーボールチームないんですね。あればいいのに。
私もそう思うんですが、どうやら女性でバレーボールを一番活発にやってるのって、小学生以上のお子さんのママさんみたいなんですよね。まあ、逆に考えればいずれその立場になれるから、いいかなと。
――こうして考えると、子どもがいることでずいぶん生活が変わってしまったとも言えますよね。自分の時間が無くて、つらく感じるときはありませんでしたか。
そうですね。長女を産んで、自分ひとりになれる時間がない状態を初めて経験したときは少しつらかったです。でも、最近は「ひとりの時間がない」という悩みなんて、子育てのうちのほんの一瞬のことに過ぎないのかなと思うようになりました。
――それはどうしてですか?
長女が5歳になりますが、食事、着替え、排泄などほとんどのことが一人でできるようになり、だいぶ手が離れたなと感じています。そう考えるとひとりの時間がないのもあとわずかなのかなと。それより、この3人の子供たちそれぞれをどう育てるべきか、ということの方がずっと大きな悩みと感じるようになりました。兄弟姉妹でも別の人間だと頭ではわかっているんですが、性格や育ちかたがそれぞれ違うので親のほうが戸惑うこともあります。
――なるほど。(遊んでいる長女さん、二女さんを見ながら)お姉ちゃんと妹さんでもちがいますよね。
違いますね。長女はおとなしくて仕切り屋タイプですが、二女はのびのびしています。ふたりを比べると、長女は慎重すぎるのが気になるし、二女は自己中心的すぎるかも?と感じることがあります。
――ぜんぜん違うんですね。
そう。全然違う。
三女はもうすぐ5ヶ月なんですが、まだ寝返りしないんですよ。
――そうなんですか? なんだか意外ですね。三人目だから、なんでも早いイメージでした。
私自身もそう思ってたから、驚いてます。ママ友のお子さんで月齢の近い子では、もうハイハイやおすわりもしてるのに……。まあ、そのうちできる、きっと。
――確かに、お子さんそれぞれの違いに注目すると、それぞれ別々にやってあげたいことが出てきますよね。
本当にそうなんだけど、私ひとりではどうしても、手が足りない時がある。だから物理的に手が足りないことが、今一番の悩みです。
1人でゆっくりカフェに行くような時間がほしいとか、今でもそういう思いはあるけれど、子どもに手がかかる時期は短いですから。1人の時間はいずれできるので、その時楽しむつもりです。
児童館などの施設は子どもたちの遊び場であるのはもちろん、ママの憩いの場でもある。写真は2019年に開館したこまっこ児童館。
子どもに手がかかる日々が過ぎたらしたいこと
――――「子どもに手がかかるのはいまだけ」ってよく言われるけど、私はまだ割り切れてなくて、その「いま」がとても長く感じるんですよね。
それも一理あるんですが、やっぱり長女の成長を見ていると、すぐ大きくなっちゃったなという思いが湧いてきます。赤ちゃんだったのに、もう5歳になって、育児の戦力にもなってくれて。あっという間に大きくなるんだなと思ったら、気が楽になりました。
長女が生まれた時には、こんな風に成長してるなんて想像もできませんでした。頼もしいです。
――いよいよ小学校入学が見えてきましたね。
来年は年長なので、ついにラン活です。早いなあー。
――取材も終わりに近づいてきました。 Yさん、子どもがいてよかったと思うことは何ですか?
やはり、子どもが成長しているのを目の当たりにした時ですね。今までできなかったことができるようになると、自分のことのように嬉しくなります。乳幼児期の子育ては大変なときもありますが、私はこの時間をゆっくり大切に過ごしたいと思っています。
(長女さんと次女さん、時々言い合いになりながらも仲良くおもちゃで遊んでいる)
――お子さんたち、とてもしっかりして見えますね。確かに、子どもの成長に目を向けると、子育てには終わりがあるということも現実としてわかる気がします。
最後の質問です。Yさんが今後の人生で楽しみにしていることは何ですか?
ええっ?何だろう、少し考えますね……
まずは復職ですね。すきな仕事なので、また頑張りたいです。けっこう長くお休みさせていただいてるので、上司からは「勉強しておかないと現場でついていけないよ」と言われたことがあります。ここ数年の
時代の変化が激しいようなので。春から、二女も入園するので、時間ができたら勉強したいなと思っています。
あとは旅行です。家族旅行を実はまだあまりしていないんです。子どもがもう少し大きくなって、授乳やおむつのことを気にしなくてもよくなったら、いろいろなところに行きたいです。
店舗の入り口に設置されたスロープ。
近年では、子育て中でも好きなことを楽しみたいというママ・パパの思いを汲み、
子連れ・ベビーカー入店などに配慮する店が少しずつ増えている(写真は本文と直接の関係はありません)
――楽しみですね。旅行、私もあまり行っていないので、おすすめの場所があったらぜひ情報交換しましょう。
はい、ぜひお願いします!
苦労を語るときでも、笑顔を忘れないYさんのお話からは、親としてお子さんの成長を目の当たりにする喜びがあるということが伝わってきました。貴重なお話をありがとうございました!
おわりに
インタビューで取り上げられた施設・サービスについて
児童館・子ども家庭支援センター
Yさんのお話で出てきた児童館・子ども家庭支援センターは、2020年3月現在コロナウィルス対策のため休館となっていますが、
開館中は平日・土曜日の室内遊び場として、児童館は狛江市在住の0~18歳、子ども家庭支援センターは未就学のお子さんならだれでも無料で遊びに行くことができます。
(未就学のお子さんは保護者の方と一緒にご利用ください)
お子さんがおもちゃなどで自由に遊ぶだけでなく、育児相談もできます。再開されたら、ぜひ足を運んでみてください。
リトミックなどの申込み制プログラムやイベントも楽しいですよ。
狛江市の児童館(こまえ子育てネット)
狛江市子ども家庭支援センター(こまえ子育てネット)
※子ども家庭支援センターは、子育てに関する困りごとの相談や、子育てサポート制度の紹介窓口にもなっています。
「どうしても子育てがつらい」「家庭の事情で子どもを預けたい」など、心配なことがある場合は、相談をおすすめします。
サークル(公民館保育室活動グループ)
狛江市では、公民館保育室に未就園(0~2歳)のお子さんを預けて参加できるママサークルがあります。
市が主催する女性セミナー(参考:令和元年8月こまえ広報)をきっかけに活動を始め、週に1回程度活動しているとのことです。
毎週会ってお話しできる「ママ仲間」ができることで、子育ては大変心強いものとなるでしょう。
ぴーれの過去記事でも取り上げられていました→中央公民館の保育室を利用したグループ活動☆
曜日、託児の可否はその時によって異なりますが、興味のある方はぜひ中央公民館に問い合わせてみてください。