今年4月1日、狛江市内で3館目となる児童館が和泉本町三丁目にオープンしました。
愛称“こまっこ児童館”(正式名:北部児童館)として、近隣ではこの2か月ですっかりおなじみとなり、連日たくさんの子どもたちで賑わいを見せています。
筆者も数回訪れましたが、2人の娘はすっかりファンになり、「今度いつこまっこに行く?」と頻繫に言っています。
こまっこ児童館にこれから行ってみようと思っている方や、「どんなことができるの?」「市内の他の児童館とどこが違うの?」と疑問に思っている方に向けて、児童館館長の藤森さんにご案内いただいた館内設備の情報や、筆者が実際に子どもと過ごしてみた児童館の印象を交えて、こまっこ児童館の魅力をたっぷりお伝えしたいと思います。
利用方法
まずは初めて訪れる方向けに、児童館の利用方法を。
こまっこ児童館は、就学前の乳幼児(保護者同伴)から中高生までと幅広い年齢層の利用が可能です。
建物正面の入口を入ると左手に受付カウンターがあり、初回の利用時には利用者登録の用紙に記入をします。
以降の利用は、同じカウンター上に置かれた年代別(幼児・小学生等)の来館者名簿に記名するだけとなります。
館内の施設
続いて館内の紹介です。
図書室・フリースペース
玄関ホールで履物を脱いで上がると、正面に低いテーブルの並んだ広いスペースがあり、奥の壁際に本棚が並んでいます。
こちら、お部屋の名称としては図書室になるそうなのですが、右手に中庭が開けていることもあって、とにかく明るく広々とした雰囲気。
従来の図書室のイメージとは異なる開放的な空間です。
筆者の訪れた土曜日には大勢の子どもたちとその保護者で賑わっていて、漫画や絵本を読むだけでなく、貸し出しのゲームを楽しんだり、テーブル席でお喋りしたり、手前のフリースペースでコマを回したりと、皆思い思いに楽しんでいるようでした。
ひろば
入口右手前にある、乳幼児親子専用のお部屋です。
小さなお子さんはこちらで過ごすのがお勧め。マットの敷かれた赤ちゃんスペースもあります。
ボールプールやおままごと道具、大型ブロックなど、常設のおもちゃも充実していますが、貸し出し用のおもちゃもあり、壁に貼られたカードを取って受付で渡すことで、使いたいものと交換してもらえます。
筆者の娘(3歳次女)はこの貸し出しシステムが気に入ったらしく、何度もカードを取ってほしがっては、カウンターのスタッフに渡しておもちゃを借りる行為そのものを楽しんでいました。
パーツの複数あるおもちゃ(例えば、ばらばらでおままごと道具に紛れているとなかなか円形に揃わないケーキなど)がセットで貸してもらえるので、ストレスなく遊べるのが便利だと思いました。
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中庭
図書室からもひろばからも見える中庭です。図書室手前のガラス戸から出入りします。
衝立のネットで中央を区切って、ボール遊びができるスペースと幼児用の乗り物のスペースに分けて使っています。
ボールのスペースに関しては時間を区切った入れ替え制になっていて、受付カウンターにある用紙に名前を書いて予約します。
自分が確保した時間はスペースを貸し切りのような形で使うことができます。
同じスペースで一輪車も利用可能で、こちらは子どもどうしで了解が取れれば、別の子が取っていた時間でも飛び入り参加OKです。
筆者の娘(7歳長女)は遊びたい時間の予約がとれなかったため、図書室で漫画を読みながら常に中庭に目を光らせ、一輪車ができそうと見るやいなや飛び出ていくという過ごし方をしていました。
遊戯室
開館前から話題になっていた、ボルダリング用の壁のあるお部屋です。
吹き抜けの広いホールとなっていて、こちらも時間制でバスケットボールなどの球技に利用できます。
気になるボルダリングはイベントとして時間を設けている日の他にも、子どもたちの希望があれば(球技利用との兼ね合いを見つつ)随時対応されているそうです。
筆者が遊びに行っていた日にも「これからボルダリングが始まります」と放送がかかり、子どもたちが壁の前に列を作っていました。
集会室
一階奥にある集会室。A・B二つの部屋に分かれています。
飲食はこちらのお部屋でどうぞ。
こちらにも壁面におもちゃ貸し出しのカードがあり、受付で借りて遊ぶことができます。
館長の藤森さんによると、この部屋のポイントはカウンター風に壁を向いた席があること。
ボードゲームなどを楽しむグループだけでなく、一人で来た子どもにも居場所を作っているんです。
意外にも児童館のおもちゃは一人用のパズルタイプのものの人気が高く、個人でじっくり取り組むことはもちろん、難しいところを別の子に教えてもらう中から友達づきあいに発展していくこともあるそうです。
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中高生室
ここからは二階の施設の案内です。
こまっこ児童館は利用者として中高生の存在を意識した施設となっていて、二階にはそのための部屋が整備されています。
中高生室には卓球台が2台あり、受付で予約をして使うことができます。小学生も利用可能です。
中高生のための多目的室という位置づけなので、卓球以外の利用についてもスタッフに相談すれば実現可能とのこと。
大きな鏡も設置されていて、ダンスの練習などでの利用も想定しているそうです。
防音室
楽器の演奏が気兼ねなくできる防音室は、中高生向け設備の目玉です。
事前にグループ登録をすることで、時間予約をして利用することができます。
対象は基本的に中高生で、小学生の利用には保護者の同伴が必要です。
ドラムセット、電子ピアノ、アンプ、ミキサーラック、マイクなど、ひと通りの機材が整っており、利用初回には使い方のガイダンスを受けることが必須となります。
壁の片面が広い鏡張りとなっていて、ダンスやバンド、演劇など様々な練習に使うことができそうです。
リソース室
育成室の補助的な役割の小部屋ですが、現在は机と椅子を並べて自習室として利用されています。
定期テストの近づく期間には「勉強cafe」と銘打ったイベントも行い、テスト勉強を強力サポートするとのこと。
「勉強の息抜きにちょっと卓球してきてまた勉強」といった使い方も児童館ならではです。
防音室のような派手な設備ではありませんが、こちらも児童館に中高生の居場所を作ろうという意気込みが感じられるお部屋だと思いました。
育成室
市内の他の児童館同様、こまっこ児童館には小学生クラブ(学童クラブのひとつ)としての機能があり、40人の児童が在籍しています。
下校後、子どもたちはまずこの部屋でランドセルを置いて宿題を済ませてから、一般の利用者に混じって館内で遊んでいるそうです。
イベント
幼児向け、小学生向け、中学生以上向けに行われている様々なイベントについては、毎月のおたよりで確認ができます。
イベントは基本的に全て当日参加で、予約は必要ありません(小学生向けの「こまっこクッキング」のみアレルギー対応のため事前予約制)。
幼児向けには年齢別に分かれた「子育てクラブ」という定例の集団活動がありますが、こちらも登録制ではなく、二部に分かれた時間帯のどちらに参加するかも含めて完全に自由だとのこと。
子どもが小さいうちは当日の体調やご機嫌でスケジュールがままならないことも多いので、予約なしで参加できるというのはひとつハードルが下がりますよね。
小学生向けには様々なスポーツを楽しむ「こまっこスポ―ツ」の時間がありますが、イベントとして設定されていない日にも、各スポーツ種目での利用は可能です。
また、こんなイベントがやってみたいというアイデアも随時募集しているそうです。
言いっぱなしではなく一緒に実現するために協力してくいくことが条件とのことでした。
充実した設備の中で、活動の内容はこれから子どもたちと共に作っていこうとされている姿勢を感じました。
幅広い年齢の子どもが共に過ごすということ
さて、ここからはほんのちょっぴり蛇足です。
こまっこ児童館が乳幼児から中高生までを対象とした施設であることはご案内したとおりですが、ぴーれのメイン読者である乳幼児の保護者の皆さんの中には年齢の高い子どもたちのいる遊び場に気後れしてしまったり、不安を感じたりする方もいるかもしれません。
まずひとつめの安心材料として、平日は年代別に利用時間がかなり分かれている(未就園児は午前中、それ以上の年代はそれぞれの降園・下校の時間帯に応じて)ことが挙げられます。乳幼児の児童館デビューは可能であれば平日午前中がよさそうです。
対して、筆者が利用することが多い土曜日は各年代入り乱れて、悪く言えば雑多な賑わいとなっています。小さなお子さんからは目を離さないように注意することが重要です。
体の大きな子どもたちが足早に廊下を移動する勢いにびっくりすることもありますが、それでもなお、様々な年齢の子どもたちと空間を共有することで得られるものがあるというのが筆者の実感です。
中庭で幼児用の乗り物を独り占めしてずっと乗り続けていた我が子に小学校高学年と思われるお姉さんがすっと寄っていって何かを耳打ちしてくれたこと、驚くほど素直にお友達に乗り物を譲れた姿、大きなお兄さんお姉さんの真似をしてボルダリングに挑戦してみたこと。これまで数回の利用の中でもたくさんの発見がありました。
しかも、小さなときから行きつけになった児童館に、中高生になるまでこの先10年以上も通い続けられるなんて、なんだか素敵だと思いませんか。
以上、最後は筆者の個人的な推しポイントを熱く語らせていただきましたが、こまっこ児童館の魅力が少しは伝わったでしょうか。
興味を持たれた方は是非足を運び、お子さんと楽しんでいただければと思います。
by むーちょ
狛江市立こまっこ児童館 (https://komakkojidoukan.jimdofree.com/ )
- 開館時間 月曜~土曜 AM9:00~PM7:00
- 利用者区分 0歳から就学前の乳幼児(保護者同伴)~18歳未満の児童
- 休館日 日曜日・国民の祝日・年末年始(12/29~1/3)
- 指定管理者 株式会社こどもの森