東日本大震災から1年経った今、改めて、私たちも地震の時の心構えをしておきたいですね。
小さな子どもを持つ親は、ひとりで逃げることはできません。
だからこそ、災害時の動きをしっかりとイメージしておく事が大事。
そのために必要な情報は?避難場所は?いざという時どうすればいいのか。そんな親ならではの疑問や不安を、狛江市にぶつけてきました。
市の方々に聞いてきました
まじめな席の脇では・・・
まずは自分たちでもお勉強
狛江市では『地震ハザードマップ』と『防災マップ』が、私たち市民に配布されていましたね。
『地震ハザードマップ』には、地盤の揺れやすさと建物の倒壊割合、そして耐震に関する情報が書かれていました。
『防災マップ』には、避難場所や備蓄倉庫の場所、消火器の設置場所と、震災時の避難方法などが書かれていました。
自分の家がどういうエリアにあって、どこに逃げればいいかを確認!
食糧などの備蓄倉庫の場所も、念のため把握しておこう。
それでも、まだまだ知りたいことや不安が沢山あるので、市の人に聞いてみました!
市の災害対策って、どんな風に考えられている?
狛江で地震が起きたら
Q.ハザードマップや防災マップは、具体的にどういう震災、どういう被害を想定しているのですか?
東京都が平成18年に公表したデータをもとに、ハザードマップが作られています。
想定されている地震は、東京湾北部地震マグニチュード7.3、多摩直下型地震7.3です。
Q .東日本大震災はマグニチュード9以上でしたし、想定は甘いのでは?
東京都の被害想定を基に、狛江市の被害想定を行っています。現在東京都が想定の見直しを行っています。
Q.狛江市は津波の影響は大丈夫ですか?
海抜20m、東京湾からも距離があるので、津波は大丈夫だと思います。
避難する時に
Q.保育園や小学校での震災時の対策、避難のシナリオはどうなっていますか?市と共有されていますか?
3.11の震災時点では、学校長ごとの判断で、保護者引き取りと集団下校が決定されていました。その後緊急時の対応として、統一的な基準を設け、保護者へ周知するとともに、市と共有も図っています。
具体的には、震度5以上の地震あるいは災害により被災した場合の緊急対応として、子どもを学校に止め置き、保護者の引き取りにより下校させることとしています。
連絡方法については、地区連絡網を流す、携帯メールで配信、学校のホームページに掲載することとし、停電時については、地区連絡網での直接の伝言、校門への掲示を行うこととしています。
Q.震災時の初動や、避難場所の設営などの訓練というのはありますか?
毎年、狛江市総合防災訓練において、初期対応を含めた災害対応訓練や避難所開設・運営訓練を行っています。それ以外は市としての訓練は現在のところありません。
避難所の設営・運営は、実際は地域で行うことになります。現在は避難所付近の地域で避難所運営協議会の立ち上げを急いでいるところです。避難所での乳幼児への対応や、食料などの配給も、各避難所で行っていくと考えます。
市ではそうした災害時に備えたマニュアルを作成したり、隣接する区や市との協力協定を結ぶことなどを行っています。
Q.東日本大震災から教訓を得た対策にどのようなものがありますか?
帰宅困難者、鉄道や交通の運休や遅延、そして連絡手段です。昨年の震災時は、安心安全情報メールで電車の運行状況や計画停電の情報を流していました。震災時にはぜひ活用していきたい連絡ツールですので、ぜひご登録ください。
また、ドコモの緊急速報「エリアメール」も契約をしました。狛江市内にいるドコモ携帯利用者に災害・避難情報が配信されるサービスです。今後ほかのキャリアとも契約する予定です。
ほかには、防災行政無線、普段は夕方に「夕焼け小焼け」の音楽が流れています。昨年の震災時は、計画停電の情報周知のために、スピーカーを付けた広報車でも活動していました。もちろん市役所のHPを見たり、直接電話してもらっても結構です。なにしろ、正しい情報をすばやく伝達することが大切ですから。
狛江市の備蓄はどうなっている?
備蓄されているモノは
Q.備蓄状況を教えてください。その中に乳幼児用のおむつやミルクはありますか?
マグニチュード7.3規模の多摩直下地震が発生した際の避難者の発生数は5,700人程であると想定しています。備蓄量は5,700人×3日分を想定して各避難所備蓄倉庫に備蓄しています。場所は、主に避難所となっている小・中学校にある備蓄倉庫です。
オムツや粉ミルク、哺乳瓶は、5,700人のうちの乳幼児の比率を計算して、その3日分を備蓄しています。離乳食は備蓄していません。
市としても備蓄はしておりますが、全市民の分を備蓄することは困難なので、各ご家庭で1人最低3日分の備蓄をお願いします。
Q.オムツのサイズやおしり拭きはありますか?
まずは命が大事です。オムツの備蓄はありますが、災害時にサイズなど細かい要望に応じた対応はしきれないと思います。おしり拭き、体も拭けるんですね。保存期限を見て、検討したいと思います。
Q.賞味期限が切れた備蓄品はどうしていますか?
災害訓練や地域の防災組織にサンプルとして差し上げたり、アルファ化米は防災訓練の炊き出し訓練で使用したり、なるべく無駄にしないようにはしています。
お水のこと電気のこと
Q.水の確保や配給はどのようにするのですか?
備蓄倉庫にミルク用等のペットボトルの水はありますが、それ以外では和泉本町浄水場・砧浄水場を震災時の応急給水拠点とし、応急給水を行います。また、慈恵第三病院にある井戸についても、災害時の協力協定を結んでいます。
その際は、ポリタンクなど水を汲めるものを各家庭から持参いただく形になります。
ただ、大原則としては備えは各家庭で行っていただきたいので、飲み水は別としても、使用済ペットボトルに水を貯めて置いておいたり、使ったお風呂の水はすぐには捨てない等、何かできる工夫をしておいてもらいたいです。
Q.電気やガスの復旧について、オール電化は優先されるという噂がありますが?
電力事業者が対応していきますが、そんな細かい対応はできないと思います。
福祉を必要とする人については?
Q.災害時、医療の力を必要とする子どもたちへの対応は?
障害者手帳、愛の手帳をお持ちの方は市が把握しているので、福祉避難所である「あいとぴあ」に避難してもらう想定です。特別支援学校に通っている子は、そちらで避難することも想定しています。
但し、あいとぴあでは治療はできないので、必要に応じて災害時の拠点病院となっている慈恵第三病院へ搬送することになります。
Q.未就学児の発達障害など、まだグレーゾーンにいる乳幼児はどうすればいいのですか?
避難所など集団で生活できない場合ですね。現在、高齢者と要介護の障害者のリストを作成中です。全部把握できればいいのですが、まだ乳幼児まで至っていません。
但し1人1人個別の対応はできないので、避難所の他の部屋で対応できる場合は別の部屋を利用してもらったり、児童センターなども活用していくことになると思います。
まずはかかりつけのお医者様に、災害時の対策を相談しておくこと。常用薬は持ち、アレルギーを明記したものを付帯しておくこと。災害時に困ったら、市役所へ電話してご相談ください。
インタビューを終えて
狛江市からのお話を聞いて、自分の覚悟は甘かったな…と痛感しました。
いざとなったら自治体がどうにかしてくれるんじゃないか、と漠然と思っていましたが、東日本大震災でも自治体が被害で崩壊してしまったことを思い出しました。
「自らの生命は自らが守る」という自己責任の考えに基づく「自助」と、「自分たちのまちは自分たちで守る」という地域における助け合いの精神に基づく「共助」。
この言葉をどこのセクションの方もおっしゃっていました。自分の家族を守るのは、自分なんだ!と再確認したインタビューでした。
まずはハザードマップを読みこもう
各家庭に配布されているハザートマップ、見たことがありますか?私は今回の取材で初めて真面目に読みました。
地震ハザードマップ、防災・洪水ハザードマップが各家庭に配布されていますので、ぜひご自宅付近の危険度、避難場所などを確認しておいてください。
初めて真剣に読むハザードマップ・・・。
コミュニケーションをとっておこう。
まずは家族と、そして学校の先生やかかりつけの医者、職場の同僚、近所の人々。
もし震災が起きたらどうするか、そんな話を恥ずかしがらずにどんどんしていくべきだと感じました。
そして、震災が起きたときのことを具体的にイメージしておくこと。
それだけで、いざという時に慌てることなく、家族を守れる初動が取れるんだと思います。
by ママヒナ、ぽんたん