はじめに、自主保育ってなに!?
親達が野外で小学校に上がるまでの未就学児を預け合う活動です。
子ども達は、公園や河原など自然の中で遊びながらゆったりと自分の時間を過ごし、成長していきます。
現在、都内や川崎を中心に約20のグループが活動していて、お隣の世田谷区や川崎市では、幼稚園や保育園に並ぶ子育ての場として行政からも認められているそう。
狛江市では2009年9月から自主保育がスタートし、自主運営をしています。
ある1日を体験してきました。
五月晴れのすがすがしい水曜日、2才の娘を連れて「あおぞら自主保育 狛江おひさまの会」を1日体験してきました。
0才の赤ちゃんをはじめとする小学校入学前の子ども達18人が、保育当番の大人6人に見守られながら、10時から14時まで公園で活動していました。
この日の活動場所は、「小足立のびのび公園」。
住宅街の公園の真ん中に荷物を置いて、活動開始です。
木々と小さな丘と原っぱのこぢんまりした公園ですが、子ども達は方々に散っていきます。
親から離れた途端、お弁当を食べ始める男の子達。
「お昼って好きなときに食べていいんですか?」
驚いて当番の方に聞くと、
「いつ食べてもいいんですよ。実はこの子達は預かりを始めたばかりの年少の子なんです。食べると安心するのかな。先に食べるとお昼の時にないんだ、ってそのうち気がつくんですよ。」
と笑って見ています。
「まだ早いんじゃないの?」と口を出してしまいそうでしたが、私は早速「見守り」の洗礼を受けました…。
女の子達は丘の上から紙ひこうき飛ばしっこ。
「風が吹いてきたら飛ばすんだよ。」
と4才児に指導を受けながら私も挑戦。
穏やかな風を感じながら、紙ひこうきが風に乗って遠くまで飛んでいきます。
うーん、すがすがしい!
近くの木では男の子達が木登りしていました。
近づいていくと、なにやらサクランボのような実を取って食べている!
「おいしいの?」
と聞くと、上から取った実をどんどん落としてくれました。
下で子ども達がその実を拾って食べる、食べる。
木登り上手な男の子は、喜ぶみんなの顔を見て満足げでした。
そのうち手が届く範囲には熟した実がなくなってしまったので、私が木の下から棒でつついて落とそうとしていたら、そばで見守っていた当番のママに止められました。
「子どもは出来ることを見極めながらやっているので、大人は手を貸しません。その子がそれ以上手を伸ばせないところを経験して、今の自分の限界を感じるのも必要と考えていますので。」
とそっと諭されました。
私ったら、見守るどころか、子ども以上に遊んじゃってました。すみません。
「あの木は登っても大丈夫ですか?」
と聞くと、
「あの程度の高さなら大丈夫。地面も土や芝生であることを確認しています。下がコンクリートの場合は木登りはさせません。」
子どもを見守る大人達は、その場所に危険がないかを予め確認したうえで、自由にさせているのですね。
11時半になり、お腹がすいてきたのでお昼にしようとお弁当を広げたら、どんどんみんな集まってきて楽しいランチタイムとなりました。
食べ終わると、また子ども達は草むらの中へ。
木の棒や実を集めたり、高いところからジャンプしたり、かくれんぼしたり…。
特に遊具などはない公園なのに、次から次へと遊ぶことが出てきます。
子どもってすごいなー。
私がノート片手にメモしていると、ノートを見せてと女の子が近づいてきました。
実は「自主保育だと字が読めないのではないか」という先入観がありました。
が、その子は本が大好きで、読み書きも得意だそう。
字や数を覚えることは、本人の意欲次第、ということなんですね。
しばらく一緒に「インタビューごっこ」をして遊びました。
印象的だったのは、ある女の子が木にくくりつけた一本棒のブランコに乗り、始めは誰かに押してもらわないと揺れないので、私が手助けしようと思ったら、「〇〇さーん、押して!」と。見守りのお母さんを個人名で呼ぶのです、誰々のお母さんでなく。大人と子どもがお互いにひとりの人間同士として関係ができているんだな、と思いました。
そんなこんなで、あっという間に1時半。
子どもを預けていた親達が迎えに集まってきました。
集まったら、その日あった事を話し合うミーティングが始まります。
プレイ後のレヴューも立ってするので、お母さん達のタフさにはびっくり。
その間、子ども達は大好きな絵本タイム。
ブルーシートを広げるのを自ら手伝い、早く!と言わんばかりにきちんと座って絵本に夢中になっていました。
外遊びで発散した分、集中力もバツグンです。
子ども達のことを一所懸命話している親の傍らで、本の読み聞かせに耳を傾けている。
大勢の大人達に見守られて遊びまわれることは幸せですね。
一方で大人達は、子ども達のケンカや小競り合いの状況から、まだ保育に慣れていない子の様子、ある子どもの発言を注意した、などかなり突っ込んだ話をしていました。
預けている人も預かっている人も、子ども達をよく観察して、分析して、成長を願いながら見守っているのだと感じました。
また、トイレのない公園で排泄をどうするかも議題のひとつでした。
この日はバケツにオムツをセットした簡易トイレを作って対応していましたが、置く場所を目立たないように、など近隣の方々との協調も考えながら活動している様子が伺えました。
体験してみて。
「子ども達のケンカにも理由があるので、止めずに見守ります。例えば意地悪される子は、ブランコを独り占めして貸せなかったんです。そのうちみんなが遊んでくれなくなって、独占欲が強いからみんなが嫌がるんだと気がついて、ブランコを譲れるようになりました。言葉で貸しなさいと言えば早いのですが、納得して自分からブランコを譲るほうが成長すると思うんです。」
体験させて成長を待つ。
とても時間がかかるけれど、なによりも身につく方法に違いありません。
見守りながら保育するって、普段口ばかり出している私のような親には難いことです。
だけど、待って待って、じれったくてもじーっと待って、それで乗り越えたら、見ている方も感動ものです。
たった1日の体験でしたが、我が娘も仲間に入ったように必死についていってハードな外遊びをやり遂げました。親バカですが、帰りの自転車で爆睡する娘が誇らしく感じたりして。
狛江市には、保育園、幼稚園から自主保育まで、身近に様々な選択肢があることは、とても贅沢でありがたいことだなあ、と感じました。
みなさんに聞いてみました。
幼稚園ではなく自主保育を選んだのはなぜですか?
- 幼稚園は規制が多く感じるので、今の貴重な子どもの時期を一緒に過ごしたい。
- 2才からおひさまに参加しているんですが、幼稚園にするかどうかすごく迷いました。発表会や音楽会など練習して発表するカリキュラムはないですし。でも今は、自主保育で子ども達の世界を見ることができてとても楽しいです。
- 原宿の自主保育を体験して、時間に区切られずに外遊びをさせたくて狛江にもあるのを知って参加しました。狛江市には私立の幼稚園しかないので、母親が見ることができる自主保育だと経済的にも助かりますし。
- うちの子は活発すぎるので、幼稚園に行ってどうかな…と思っていたころ、下の子が入院をしてしまい、おひさまメンバーにはとっても助けられました。子ども達のこともそうですが、私にとっては大人同士の繋がりが大切なものになっています。
子ども達にも聞いてみました。
「楽しいことってなに?」
鉄棒、ブランコ、絵本を読むこと、木登り!
今まで楽しかったイベントは?
江ノ島の合宿、パパ達と行った高尾山
元気な声がたくさん返ってきました。
論より、まずは体験してみよう。
自主保育「狛江おひさまの会」では、見学をいつでも歓迎しています。
月2回発行の「わっこ」やこまえ子育てねっと内のイベントカレンダーに、だれでも参加できるイベントの情報が載っています。
ぜひ、外遊びを体験してみてくださいね!
平成25年度募集の説明会も開催。
○日時:6月27日(水) 10時~11時
○会場:西河原公民館 視聴覚室(下が絨毯なので、赤ちゃんも寝かせられます)
○対象:0才~就学前の親子
○参加費:無料
○定員:20家族(定員に達し次第、締切りとさせて頂きます。)
○持ち物:筆記用具
○申込み お問合せ:あおぞら自主保育 狛江おひさまの会 担当者 志村
080-6586-0314
komae.ohisama@gmail.com
詳細はおひさまのブログをご覧ください。
おひさまブログhttp://blog.goo.ne.jp/komaeohisama/c/3964f385d5a951d6197ed75f582fe95b
by POPONEKO、ママヒナ