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HOME作ってみましたおやつ・ごはん【親子で手仕事】味噌づくり体験レポート

道端の紫陽花に雨粒が落ちる季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
ゆううつな季節は、体に良いものを食べて、元気に過ごしたいものです。

今回お届けするのは、家庭での味噌づくり体験レポート。
私たちの生活になくてはならない基本の調味料「味噌」を、子どもと楽しく作れたらと思い立ち、今年初めて自宅で仕込んでみました。

体験レポート

作った時期

2月(1、2月の寒い時期に仕込むとその後の発酵と熟成が比較的安定的に進むとされています。)

参加人数

大人3名、子ども(2歳児)3名、(0歳児 良くねんねしてました)1名

作業時間

全体

2日間

集まって作業した時間

3~4時間(大豆を浸水させる…18時間程度、大豆を煮る…4時間程度 を除く)

★Point:大豆を浸水させる、豆を煮るを含めると2日間かかります。皆で集まって作業する場合は、大豆を浸水・煮る工程は前もって行っていたほうがよいです。事前に材料を分け合って煮た状態でもってくるか、一人が代表して行うとスムーズです。
集まって作りたいときは、時間を逆算して浸水と煮る工程をおこなうようにしましょう。

用意するもの

味噌の材料

・大豆…1kg
・乾燥こうじ…1kg
・塩…400g(この分量のほかに、使うところがあるため、100gほど余分に用意しておくとよい)
・ホワイトリカー…適量(容器を消毒する際に使う。100ml~150mlあれば十分。)

必要な道具

・大豆を洗うボウル(大きめのもの)
・大豆をゆでる鍋(直径30cm前後の大きめの物。大きめのものがなければ、数回に分けて煮るか、別鍋に分けて同時に煮る。)
 ★鍋選びのPoint:鍋の中でも比較的保温力のある、土鍋や厚手のステンレス鍋でゆっくり煮ると、柔らかく炊き上がります。圧力鍋を使うときは、豆の皮や灰汁が圧を抜く部分に詰まることがあるので注意が必要です。

・大豆をつぶす容器や麺棒(ボウルやチャック付きぶくろ)…作業する人数分
・味噌を仕込むための容器…各自で用意
 ★仕込み用容器を選ぶためのPoint:仕込む前にアルコールや熱湯で消毒ができ、半年~1年間高濃度の塩分に耐えきれるように、かめや琺瑯(傷のないもの)が好ましいです。熟成中の通気性も考えると、かめが最適。

・ラップ
・新聞紙とひも(ビニールひもや麻ひも)(仕込んだ容器にふたとしてかぶせる)

子どもと作業するための用意

・低いテーブル
・ビニールシート
・エプロン
・子どもを遊ばせるスペース、おもちゃ、おやつや飲み物(大人用も忘れずに) など
 ★Point:味噌の材料や仕込み中に手伝うときは、必ず手を洗い雑菌の混入を防ぎましょう。

味噌の作り方

  1. 大豆を洗い、水に浸す
    味噌を仕込む前日夕方、大豆を洗う。大豆の3から4倍以上の水を入れ、一晩(約18時間)浸す。
    ★Point:吸水完了の目安は、大豆の大きさが約2倍になり、大豆の表面がしわなくプリッとしていること。
    大豆が水につかっている様子
  2. 大豆を煮る
    鍋に1の大豆と、大豆の2倍以上の新しい水を入れて、3~5時間煮る。
    ★Point:豆を小指と親指でつまんで軽くつぶれるくらい柔らかく煮ると、大豆をつぶすときに子どもも簡単につぶせるのでおすすめです。
  3. 大豆を鍋から取り出す
    煮あがった大豆を熱いうちにざるにあげ、煮汁と分ける。
    ★注意!!:煮汁は、味噌のかたさを調節するのに使うので、捨てないで。
  4. 熱いうちに大豆をつぶす(やけどに注意!!)
    消毒したボウルや鍋に3の大豆を入れ、ペースト状につぶす。
    子どもはチャック付きぶくろに1/3ほど大豆を入れ、空気を抜き、袋の上から麺棒でつぶすと簡単に作業できます。
    フードプロセッサーで一気につぶす方法もあります。
    ★注意!!:子どもが行う場合や、手でつぶす場合は、少し冷ましてから作業し、やけどに注意しましょう。
    味噌を袋に入れている写真
  5. 仕込みの前に手を洗う
    いよいよ次は仕込みの作業です。大人も子どもも、ここできちんと手洗いをすることで、雑菌の混入を防ぎます。爪が伸びていたら切り、指輪などのアクセサリーをしていたら外します。(大勢で行う際は、キッチン用使い捨てビニール手袋をするのも雑菌の混入を防ぐ良い方法です。この場合も、爪を短く切り、よく手をあらうようにして。)
  6. 仕込み用容器の消毒、容器の底に塩をふりいれる
    消毒のため、ホワイトリカーを湿らせたキッチンペーパーやふきんで、容器の内側を拭く。
    (その前に熱湯消毒できるとなおよし)
    次に、容器の底に、塩1、2つまみ(分量外)をまんべんなく振り入れる。
    ★Point:消毒したら、大豆を入れるまで触らない。子どもの手の届かないところに置いておくことをおすすめします。
  7. こうじと塩を混ぜる
    ボウルや鍋に米こうじ(板こうじは袋の中で事前にほぐしておく)と塩430gを入れ、両手ですくいあげながらすり合わせてよく混ぜる。
    ★Point:全体が均一になるまでよく混ぜましょう。
  8. 大豆と7を混ぜる
    7に4でつぶした大豆を入れて混ぜる全体が均一になるように、よくまぜる。
    小指がスッと入るくらいの柔らかさになるまで、よく混ぜる。かたいときは、3でとっておいた煮汁(種水という)を大さじ3~6の範囲で入れ、よく混ぜる。
    ★Point:次の工程で容器につめるとき、柔らかいほうが空気が抜けやすいです。
    大豆とこうじと塩を混ぜている様子
  9. 8を容器に詰める
    8をおにぎり大のお団子をつくるように丸め、みそだまを作る。
    次に、みそだまを容器に3、4個ずつ詰めて上からてのひらで押して、しっかりと空気を抜く。
    ★Point:容器が大きく、みそだま投げ入れられるようなら、勢いよく底に向かって投げ入れるのも一手です。
    これを繰り返し、最後に表面を平らにならし、1、2つまみの塩(分量外)を表面にまんべんなくふる。
    味噌玉を作っている様子

    容器に味噌を詰めている様子
  10. 表面にラップする
    表面をラップで覆い、ふちに縦横1cmくらいの幅で塩置いていく。(カビが混入するのを防ぐ役割)
    ★Point:醸造が進むと、塩に味噌の成分がしみてきてカビが生えますが、カビが生えた塩ごとラップを取り除けば中はカビの少ない状態です。
    表面にラップをした様子
  11. 10にふたをする
    10に新聞紙をかぶせ、ひもでしばる。
    ★Point:こうじは発酵中、息をしています。タッパーなどで仕込んだ場合も、密閉せず通気が良い状態に保つことが大事です。
    ほこりが入らないように、新聞紙をかぶせてふちをひもで縛るのがよいでしょう。
  12. 冷暗所で保管
    風通しがよく、比較的涼しい場所で保管し、熟成を待ちます。冷蔵庫に入れる必要はありません。
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その後の作業

天地返し…時期:梅雨明け(6月~7月)

梅雨明けに、天地返しを行います。必ずしなくてはならないものではありませんが、したほうがより風味が増すといわれています。

カビの除去…時期:常時

カビが生えている部分だけスプーンなどですくいとり、平らにならす。アルコールで容器を拭いて消毒し、再び新しいラップをかぶせて塩をふるなどの作業をし、新聞紙をかぶせます。

出来上がりについて

熟成期間は6か月から1年です。天地返しするまでは、できるだけ容器のふたを開けないように保管します。
うまく熟成すれば、10月ごろから食べられます。その際、たまり(味噌から染み出る茶色の液体)が上がっていたらみそに混ぜるか、たまりだけを使って調味することもできます。

おわりに

子どものころ祖母と作った記憶が懐かしく、ずっと作ってみたかった味噌。
昨年、公民館での味噌づくりに参加したところ、思ったより簡単においしくできることがわかり、ちょっとした感動しました。
今年こそは自宅で!と思い切ってぴーれメンバーに声をかけてみたところ、有志のメンバーが集まり、皆と子どもたちで協力して楽しく味噌仕込みができました。仕込み中ももちろんですが、作業後のお茶のみの時間も楽しかったです。昔の女性たちは、こんな風に協力しながら生活に必要なものを自分で作ったり、子育てしたりして生活していたのかなと、古にも心を馳せながらの作業となりました。

おいしくできているといいなと思いますが、うまくいかなくても次につながればいいやと、のんきに構えています(笑)。
味噌のその後はまた機会がありましたら、お知らせできたらと思います。

ここ最近、比較的若い世代にも、昔ながらの手仕事を伝承していこうとする取り組みが広がっているように感じます。
狛江市の一部の小学校でも、自分たちがいつも食べているものがどんな風に作られているか理解しようということで、「味噌づくり体験」授業が行われているそうです。お金を出せば、身の回りのものはお手軽に手に入る時代ですが、そうしたものが出来上がる過程を次の世代に受け継いでいくことも、私たち大人の役割かもしれません。とはいえ、頑張ってなにかするのは大変なことなので、親子で楽しむ中で、子どもの記憶に楽しさやなつかしさとして残ってくれたらうれしいなと思います。

次回の仕込みシーズンまでは少し時間がありますが、ぜひ皆さんもご家庭で味噌づくりを楽しんでみませんか♪
 

by(文)むらちゃん(参加と写真)チョコ、YMG

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